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シルバーと羊毛を組み合わせた作品、「もこもこひつじ」です。
羊毛が手元にあったので、「いっそ羊に戻してみたらどうか?」と、
思いついて作った作品です。
シルバーで作った体に、羊毛をぐるぐる巻いて、専用の
返しのついた針でチクチクさしていくと、羊になります。
なので、毛をむしるとひょろっとした細い羊が出てきます(笑)
ヨーロッパでは、黒い羊といえば、「変わり者、厄介者」の
意味なのだそうです。白い羊毛なら染めたり加工がしやすいけれど、
黒い羊毛は他の色に染めることができないから、ということらしいです。
なんてことは全く知らずに黒い羊もつくったのですが…
あえて、「自分はひと味違うぜ」という意味をこめて、黒い羊バージョンを
身に着けてみるのも良いかもしれないですよ~。
今までにつくってきた作品たちを、ちょこっとずつ紹介していきたいと思います。
まずは、初めてつくった動物モチーフの作品、「はんぎんぐパンダ」です。
このパンダ氏は、「動物つくろう→つくるなら人気者→やっぱりパンダ?」
という、じつに安直な考えから生まれました(^_^;)
「何だかかわいそう~」と言われることの多い、首根っこを引っ張られた姿…
いえいえ!首のあたりの皮は、母パンダがくわえて運んでも痛くないように、
だぶだぶしているのです。だからたぶん平気なハズ…
写真だとよく分からないかもしれませんが、ちゃんと爪があります。
パンダは食べ物の笹をしっかり掴んで食べるので、爪も大きい!
かわいい見た目なので忘れがちですが、やっぱり猛獣なんですね。
制作について、作品についての自己紹介を少し。
主に銀や真鍮といった金属を使って、ジュエリーを制作しています。
ジュエリーとは言ってもほとんど石を使わないので、
アクセサリーと呼んだほうがしっくりくるかもしれません。
私はもともと大学で金属工芸を専攻し、「鍛金」という
金属板を金槌でたたいて延ばし、立体に成形していく技法を中心に学びました。
美術館で、ケース越しに見ることしかできない作品のあり方に疑問を持ち、
「見るだけではなく、触って、参加できる作品」づくりをコンセプトにしてきました。
卒業後、ものづくりは続けていきたいと思ってはいたものの、
工房や設備なしでは、なかなか大きな作品をつくり続けるのは難しく思いました。
そんな時、身に着けられる作品であるジュエリーに興味を持ったのです。
その後、ジュエリーの専門学校で制作の基礎を学び、今に至ります。
現在は、動物や植物をモチーフとして、ジュエリーをつくっています。
鉄は熱いうちに打て
という言葉がありますが、作品づくりもまさにそうで、
つくりたい!と思ったときがつくり時。
面白いと思ったこと、ほっとした瞬間、楽しい気持ちを
熱いうちに、かたちにしていきたいと思っています。